牧野・金田両氏のコメント

ここ天文台の牧野淳一郎教授*1が面白い文章をだいぶ前から書かれていたようです。

個人的には意外だったのは、マスコミの論調・ネット上での色々な人の感想が今回の理研の次世代スーパーコンピュータプロジェクトへの評価を、民主党の科学技術に対する態度の現れ、要するに科学技術を重視しないということである、というようなものであったことです。

— 2009/11「仕分け」雑感 (2009/11/25) より

次世代スパコンは結局当初計画程度の予算 (報道されている 40 億減は概算要求からで、概算要求が元々当初計画から上載せされてたので) となって、仕分けの騒ぎがあまり意味がある結果につながっていないような気がします。事実上最後の計画見直しの機会をまた無為に見送った、という感じですね。

Larrabee, Fermi (2009/12/26) より

同じく東大の金田康正教授は、スパコンで円周率の計算をされている有名な方で、スパコンの「仕分け人」として報道されたのが記憶に新しいです。金田さんはご自身の研究室のホームページに、

事業仕分け」についてのマスコミ等の報道の多くは、仕分け人の発言の一面だけをとらえたものが多いようです。第三ワーキンググループ事業仕分け人のブログは良く記述されており、「事業仕分け」とはなになのかがおわかり頂けるでしょう。是非ともご覧下さい。また google 等の検索エンジンで "事業仕分け 理化学研究所(1) 文科省 ニコニコ動画" の組み合わせで検索することで、当日の「事業仕分け」の様子が見える(聞ける)動画にたどり着けるはずです。当日の質疑応答の経緯もあわせてご覧下さい。また11月19日開催の行政刷新会議に報告された、前半の「事業仕分け」の各グループの評価結果が事業仕分け前半評価結果です。12月1日の毎日新聞記事に、次世代スーパーコンピューター開発に対する私の考え方(の一端)が掲載されています。こちらもあわせてご覧下さい。なお次世代スーパーコンピューター開発については、2009年12月16日に「本件については、国民の十分な理解を得るために、説明会等を通じて説明責任を果たしてゆくとともに、他の文部科学省予算において、要求から追加的に50億円の削減を図ることを条件に、227.8億円の範囲内で予算計上を認める。」という事を予算関係閣僚委員会の議を経て最終的な結論とする、との事で決着した様です。また近日中に、日経コンピューターと毎日新聞それぞれでインタビュー記事が掲載される予定です。

と書かれています。

金田さんといい牧野さんといい、理研の勢力の方々とは、やはり異なる一派なのかな?良く知りませんが。

牧野さんの上記リンクのPDFは非常に長い文書であり、かつ私からすれば専門的内容で全ては把握できません。しかし、上記引用した箇所と、以前に書いたように、私は全く同意見です。

(2010.1.6 追記)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091225/342666/

に、金田さんのインタビュー記事が掲載されています。

*1:大ざっぱな説明をすると、GRAPEという天文学用の特殊なスパコンを作られている専門家。