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若手神経科学者有志の事業仕分けへの提言

今朝の朝日の記事

研究費の無駄、けっこうありました 仕分け受け若手調査
裕福な研究室では高額顕微鏡を1〜2年ごとに買い替え、型落ちになった機器は使われずに放置——。こんな研究室での無駄の実態が若手研究者らのまとめで分かった。行政刷新会議事業仕分けでの厳しい指摘を受けて実態を反省、科学技術研究の強化をめざした提言をまとめた。
(中略)
問題点として、年度末には「研究費を使い切るように事務から指導がくる」「不要な物品や高額機器を購入することも多々ある」。「輸入機器は中間マージンで現地価格の2〜3倍、場合によっては4倍近い値段」などがあった。
(中略)
提言の背景には、事業仕分け直後の、ノーベル賞受賞者らによる「予算を減らすな」といった一方通行の主張に対する危機感もある。世話人の宮川剛・藤田保健衛生大教授は「事業仕分けに共感した部分も多い。偉い先生だけに任せず、若手も科学技術政策にかかわれるシステム作りが必要だと考えた」と話す。
2010年2月14日 朝日新聞

という記事があったので、誰がやっているのだろうと調べたら、この方や神経科学者のSNSを中心にして進めているようです。この方のblogでは、事業仕分け関連で面白い話がいくつか上がっていたと記憶しています(中身はもう忘れました)。

自分がここでも書いたように、科学者が「予算を削るな」の大合唱するだけでなく、ちゃんと膿を自ら出さなくてはいけないというのと、同じ方向性のものだと理解しています。

結局、自分の研究が忙しいと、事業仕分けが11月にあったことなんて僕らは忘れてしまって、「喉元過ぎれば…」という状態です。もう事業仕分けの「流行」は、自分の周辺では終わりました。その一方で、時間をかけてこういう提言を取りまとめ続ける方々がいらっしゃるのを目にすると、少し後ろめたい気持ちになります。

ただ、こういう「至極真っ当な意見」というのは、お偉いさん達の方針とは合致しないんですね。ここに書きましたが、真っ当なことを言えば業界全体を良い方向に変えようという力学が働くというわけではなく、「まずは予算削減反対という声を上げることが大事だ」という流れになってしまったのが当時の「先生方」の雰囲気でした。そしてその変な興奮が変にマスコミに伝わり、象牙の塔の研究者という悪い印象を抱く視聴者が出てくるわけです。あの場で私が質問した内容に若手で反対する人は皆無だと信じていますが、残念ながら正論だけ言えば良いわけではありません。

そういう全体を巻き込む運動は政治力が必要で、この提言も日本学術会議では「提言の内容は評価するが、諸事情に鑑みて提言リリースの主体に名前を連ねることは控えたい」との判断を下されたそうです。お偉いさん達が「自分たちの無駄を反省しましょう」という姿勢ではないんですから、当然と言えば当然ですね。