iTunes 株式会社では MS P 明朝を使っている

こっちに続きを書きました。

iTunes Store での「不正請求」が最近問題になっており消費者庁の公開質問状に対して、iTunes 株式会社から回答が PDF で発表されました。問題の所在はどうでも良いとして、Apple 信者としては、この回答に使われているフォントに納得が行きません。


上記リンクの一部を抜き出して見ると、明らかに汚いフォントが使われているのが分かります。これを見て汚いという感覚を持たない人は、Windows の汚さに慣れてしまった生活習慣病の可能性があります。このフォントの正体は何かというと、WindowsMicrosoft Office で標準的に使用されている、MS P 明朝というフォントです*1 *2。日本国内で出回っている業務文書の多くはこのフォントが使われており、可読性が悪いだけでなく、日本人の活字に対する美的感覚を麻痺させているといっても過言ではありません*3

このフォントを、Mac OS X で標準となっているヒラギノ明朝と比較してみましょう。ヒラギノも完璧に美しいとは言えませんが、こうやって並べるとその差がはっきりします。ヒラギノは沢山の文字を並べた場合の美しさが考慮されているのに対して、MS フォントではバランスを考えて作られていません。隣の文字と比べると不釣り合いな大きさや間隔だったり、漢字 1 文字の中でも偏と旁の大きさが不整合だったりします *4

このような MS P 明朝を iTunes 株式会社が使っているというのが驚きで、少なくともこの法務担当部長の小松卓人さん、もしくはその部下の方は、Microsoft Word を使って文章を書いているのでしょう。Apple Inc. の子会社のくせに、何とも信者教育社員教育の行き届いていないことか。嘆かわしい。

そう言えば、Windows 版の Safari で bug があったときに、

アップル日本法人に不具合について問い合わせたところ、「マック版では正常に表示されている。ウィンドウズ機がないため確認できない」(広報)という。IT-PLUS

なんていう、すごい発言があったのを思い出しました。この時 (2007 年 6 月) の反省を活かして、iTunes 株式会社では Windows を導入したんでしょうか。

追記

コメント欄でのご指摘を受け、フォントについて少し補足しました。

*1:MS という文字から分かる通り、Microsoft が日本語 Windows で使っているフォントです。

*2:もしかしたら MS 明朝かも知れません。半角英数には Times New Roman が使われているので、この PDF だと判別出来ませんでした。

*3:日本人のファッションセンスが低いのは多感な時期に制服を押し付けられるからだなんて意見がありますが、MS フォントや Windows のインターフェースデザインも同罪になりうるでしょう。

*4:実際の文書では「iTunes」の部分が Times New Roman です。