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国立大学助教の給料 – その初任給と昇給の計算方法

アカポス

助教になるといくら貰えるの?」という疑問を持つ院生やポスドクの方は少なくないと思いますが、人生設計に給与額はかなり関係してくるにも関わらず、公募情報などには「〜〜大学給与規定に基づき支給」のような書き方しかありません。普通の人には「〜〜大学給与規定」なんてものから算出するのは、ほぼ無理です。

名古屋大学の場合、「名古屋大学職員給与規定」と「名古屋大学職員本給細則」にこの情報が書かれています。どの国立大学も中身はほとんど同じなので、基本的に同じように計算できます。

初任給の計算

名古屋大学職員給与規定」には初任給の規定があります。

(初任給)
第6条 新たに採用する者の初任給は,その者の学歴,免許・資格,職務経験及び他の職員との均衡を考慮して,別に定める。

この「考慮して」の部分は、助教の場合だと「名古屋大学職員本給細則」にある「教育職本給表(一)初任給基準表」に基づくようです。これを見ると、4 年制大学卒で博士課程を修了した平均的な助教の場合、本給表 (俸給表) の「2 級 31 号給」から給料が開始されることが分かります。

さて、「本給表」とは何でしょうか。大学の教職員の給料は基本的に本給表に従って計算されます。そのため、年俸制でない限り、同じような経験年数、勤務年数の人は同じような給料になります。

助教の場合は「教育職本給表 (一)」を見ればよく、級が 2 級に相当し、経験年数によって号給が決定されます。

助教は「2 級 31 号給」からの開始なので、月給の基準額は 283,200 円です。ただし、博士取得後にポスドクなどを経験していると「経験年数」が加算されます。

名古屋大学職員本給細則」には経験年数に関する取り決めがあり、次のように記載されています。

(経験年数を有する者の本給)
第15条 新たに職員となった次の各号に掲げる者のうち当該各号に定める経験年数を有する者の本給は,第12条第1項の規定による号給(前条第1項の規定の適用を受ける者にあっては,同項の規定による号給。以下この項において「基準号給」という。)の号数に,当該経験年数の月数を12月(その者の経験年数のうち5年を超える経験年数(第2号,第3号又は第5号に掲げる者で必要経験年数が5年以上の年数とされている職務の級に決定されたものにあっては,当該各号に定める経験年数とし,職員の職務にその経験が直接役立つと認められる職務であって別に定めるものに従事した期間のある職員の経験年数のうち部内の他の職員との均衡を考慮して総長が相当と認める年数を除く。)の月数にあっては18月)で除した数(1未満の端数があるときは,これを切り捨てた数)に別表第8に定める昇給号給数表のC欄の上段に掲げる号給数を乗じて得た数を加えて得た数を号数とする号給(別に定める者にあっては,当該号給の数に3を超えない範囲内で別に定める数を加えて得た数を号数とする号給)とすることができる。

要は、ポスドク等を例えば 3 年と 9 ヶ月やったとしたら、端数切り捨てで 3 年の経験年数と見なし、この年数に 4 号給 (「別表第8に定める昇給号給数表のC欄の上段に掲げる号給数」に相当) を乗じますということです。

僕の場合は博士取得後に特任研究員を 6 ヶ月、学振 PD を 2 年5 ヶ月やったので、経験年数が 2 年という扱いです。したがって、31 号給ではなく 39 号給 (304,400 円) からの開始でした。わざと 1 ヶ月着任を後ろにずらせば、経験年数が 3 年という扱いになったので、毎年の年収が 10 万円くらい変わったみたいです。残念。

昇給の計算

助教の場合に人事評価がどうなっているのか理解していないのですが、勤務成績が「良好」の場合は 1 年あたり 4 号給ずつ昇給して行きます。したがって、例えばポスドクの経験年数 3 年で 5 年間助教として勤務すると、31 + 3 × 4 + 5 × 4 = 62 号給になり、月額 332,500 円になります。

だいたい、年間合計 10 万円くらい昇給すると思えば良い計算です。

助教の場合 141 号給が最大ですので、31 号給から開始したとすると、ここに達するのに 27.5 年かかります。28 歳開始だとして 56 歳くらいの時ですね。141 号給で 383,800 円なので、後述するボーナスと各種手当を含めて、最大でも年収 750 万円というところでしょうか。

その他の手当

月額 30 万円くらいと聞くと学振 PD のほうが良いように見えますが、各種手当がこれに加算されます。

一番大きいのは賞与で、名大の場合は期末手当と勤勉手当という名称です。これは年間 4.5 ヶ月分くらいのようです。つまり、月額 30 万円の号給を貰っている場合、年間ではこれに 16.5 を乗じた額、約 500 万円が基本給と賞与として支給されます。

また、大学院生の指導を行う場合は大学院指導手当が (僕の職場だと助教の場合 1 万円/月くらい) つきます。ただし、3 ヶ月以上の長期出張をすると支給されません。

地域手当が 4 万円/月くらい、住居手当が最大 2.7 万円/月です。これらは大学によって異なると思います。

僕の場合、妻子ありなので、扶養手当も 2 万円/月くらいついています。これは子供の数と、配偶者の収入によって変わるはずです。

センター試験の試験監督をやると、2 月に入試手当が 1.8 万円加算されます。土日出勤の丸二日間拘束ですので、ちと安い気もします。

あと、勤務年数に応じて退職金が加算されていきます。給料の 10% くらい (?) が毎年退職金の合計額に加算されるはずです。これが任期付きの年俸制職との見えない差でしょうか。ただし今後、退職金という制度がいつまで維持されるのかは不明です。