iPad で論文読むのは大変そうだ
追記 こっちに実際に触ってみた感触を書きました。
iPad の発表ではガッカリしました。駄目な製品だったからではなく、自分の欲しい製品ではなかったから*1。タブレット型で自分が欲しいと思う Apple 製品の理想は、
- 画面解像度と画素数が十分に高い (例えば、解像度が 200 ppi、画素数が 1546 x 2048 とか)
- Apple 純正のワープロもしくはエディタが搭載されており、しかも手書き入力に対応している
- 写真を撮って簡単に文書に張り込める
という機能を持ち合わせたものでした。1 つ目の要求は、当然論文を iPad で読むためです。2 つ目と 3 つ目は、実験ノートを完全に電子化するためのもの。
解像度と画素数については技術的には現在でも十分に製作可能ですが、普通のユーザにとっては必要ないオーバースペックでしょう。iBooks Store で配布される本や、iPhone / iPod touch 向けに配布されている青空文庫ビューワー等では、かなり大きめの文字サイズを使用しています。その一方、通常の論文は 2 段組になっており、しかも脚注などで細かい文字がてんこ盛りです。そんなものを綺麗に表示するには、iPad の 1024 x 768 ではちょっと表示が粗いのです。
試しに、どの程度の表示画質になるのかを US レターサイズの論文*2を使って、偽 iPad 画像を作ってみました (オリジナルサイズはこちら)。これだと拡大しないと読みにくいですね。単に拡大して読もうとすれば、スクロール量が多くなって大変です。しかも図があっちこっちに飛びますから、その都度スクロールや拡大縮小を繰り返していては、頭に内容が入ってきません。
今の生活では
- 論文は全て PDF で落としてきて、BibDesk を使って管理
- 真面目に読む論文は、初見のときは印刷して熟読
- 2度目以降、もしくは大ざっぱに読む論文は、Mac 上で読む
という方法をとっています。iPad で完全にペーパーレスに出来るかと期待していましたが、どうやら駄目そうです。
BibDesk の開発者によると、iPad への連携は今のところ考えていないとのこと。Papers への移行を考えつつ、iPad での連携が Papers でうまく行き、かつ想像よりも使い勝手がよければ、iPad を買うかもしれません。